ずっと気になっていた本がありました。
自ら趣味ブロガーと称されているクロネさん(@kuroneblog)が推薦されている「エッセンシャル思考」という本です。
エッセンシャル思考とは『「より少なく、しかしより良く」を追及する生き方』
または『最少の時間で成果を最大にする』
毎日を仕事に忙殺されてしまうことが多かった私は、このフレーズを頼りに読んでみることにしました。
読んでみると、HSP(※1)の人にも役に立つことが多い本だなと思い、今回はHSPの方に向けた内容に絞って紹介します。
※1:「HSP」とは「Highly Sensitive Person」の略で、「繊細すぎる人」「人一倍敏感な人」などのように訳されることが多いです。
もう少し詳しいことを知りたい方は、私の別のWebページになりますが、【HSPって何?】気を使いすぎで生きづらいあなたに・・
も読んでみてください。
普通の本(?)とマンガ本がありますが、私が読んだのはマンガ本の方です。
(といっても、マンガの部分は1/3程度でその他は解説文です。)
なお、このWebページではHSPのことを親しみを込めて「繊細さん」と呼ぶことにします。
(ある方の受け売りです。詳しくは、このWebページの最後の方に書いておきます。)
1.エッセンシャル思考:思い込みの克服
繊細さんは、いろんな課題に気がつき、それらをすべて解決しようとしてしまい疲れてしまいます。
「エッセンシャル思考」では、ある思い込みについて克服しようと書かれています。
まず、「どれも大事」と思いこむのではなく、「大事なものはめったにない」と思うことです。
次に、「全部できる」と思い込むのではなく、「なんでもできるが、全部はやらない」と思うことです。
90点ルールで選ぶ。
なんにでも気が付き、なんでもできてしまう繊細さんは全部やってしまいます。
でも、全部やってしまうと時間も足りなくなりますし、何より自分が疲れてしまいます。
そんな時のために、「やる/やらない」の基準をあらかじめ自分の中に作っておくといいようです。
「エッセンシャル思考」では、90点ルールという考えを取り上げています。
自分の中で最重要事項と思われるものをひとつ想定してみて、それに対するやりたい気持ちを100点満点と位置付けておきます。
そして、ある行動の選択肢が出てきた場合に、それは自分の中の100点満点に対して何点なのかを考えます。
もし、その点数が90点に満たない場合は、その行動はやらないと決めるのです。
あえて厳しめの90点という値を基準にすることで、本当にやるべきことが見えてきます。
2.エッセンシャル思考:断る勇気が必要。
繊細さんは、非常に良心的です。
相手への誠実さでいっぱいです。
そこが繊細さんの良いところなのですが、それに万全に応えようと疲れることが多いのです。
「エッセンシャル思考」では、断る勇気が必要と書かれています。
それは一見その場だけのことだけを考えると、断った相手との関係がギクシャクして良くないことのように思われます。
しかし、安請け合いして結局納期に間に合わなかったり、不十分な結果だったりすると物事を頼んだ側からしても良いとは言えません。
それなら頼まれたその場で断る方が、相手にも自分にも、よっぽど良いと思います。
「エッセンシャル思考」では上手な断り方についても書かれています。
頼まれごとや誘われごとをされた場合、
・(自分の考えがまとまるまで)少しだけ黙ってみる。(相手の方が沈黙の気まずさに耐えきれなくなるかもしれません。)
・頼まれたことや誘われたことに対して代替え案を出す。(例:「〜だったらどうでしょうか?」)
・「予定を確認してから折り返します。」と言う。(その場ですぐに返事をしない。)
・その他の頼まれごとや誘われごとも含めて、優先順位をつけてもらう。
などなど、これ以外の対応についても書かれていますので、立ち読みなどして自分に合った断り方を見つけてみてはどうでしょうか。
3.エッセンシャル思考:早く小さく始める。
繊細さんは先々のことまで予測することが得意です。
それゆえに、1つのことを行おうとする時に、それを達成するためにはどういった困りごとが出てくるか、すぐに気がつきます。
そのため先回りしてその困りごとを先に片付けたりすることで、他の人よりも多くの時間を費やしてしまうことが多くなります。
(その分、行動の成果が他の人より高いレベルであることも多いのですが・・・)
「エッセンシャル思考」では、「早く小さく始める」と書かれています。
「今できる最小限の準備はなんだろう?」と考え、まず思いつくままのことをメモに残しておきます。
しかしそのメモは短時間で閉じて、それよりも始めることが大事とうたっています。
シリコンバレーでは「完璧をめざすよりまず終わらせろ」という言葉があるそうです。
これは品質を無視しろということではなく、「瑣末(さまつ)なことに気をとらわれず本質をやりとげろ」という意味のようです。
まずは必要最小限のことを完成させて、それからそれを何回もフィードバックすることで改善していくというやり方です。
そうしたやり方をすることで少しずつ進んで、無駄な努力をしなくてすむようになります。
人は小さな進歩でもそれが続いていくと「自分はできるんだ」感が増幅されていって、次の行動に対する効率も上がると言われています。
だから「早く小さく始める」ことが大切なのだと思います。
小さな達成を繰り返せば、目標までの道のりは楽しく、満足感に満ちたものとなります。
出展元:「マンガでよくわかるエッセンシャル思考」P.163より
4.エッセンシャル思考:今この瞬間に集中する。
第3章でも書いたように、繊細さんは先々のことまで予測することが得意です。
そのために未来のことまで、いろいろと考えてしまって気疲れします。
「エッセンシャル思考」では、こう書かれています。
未来や過去は想像のなかにあるだけで、決して触れられません。
(中略)
私たちの行動がなんらかの力を持つのは、今ここにおいてだけです。
出展元:「マンガでよくわかるエッセンシャル思考」P.165より
改めていうまでもないのですが、過去は変えられません。
また、今をおろそかにすれば未来はよくなりません。
そうした中、何かをなんとかできるのは今だけです。
なので、「今この瞬間に集中することが大切だ」ということだと思います。
メモを書く
それでも繊細さんは先のことが気になるかもしれません。
「エッセンシャル思考」では、こんなことが書かれています。
・まず、「やるべきこと」を紙にリストアップします。
・その中で「今すぐやること」以外には取り消し線を引いて消します。
・次に「今すぐは必要ないけれど重要なこと」を紙にリストアップします。
・さらに「この先やりたいこと」を紙にリストアップします。
これで自分が考えている「やるべきと思うこと」はすべて紙に書き出されているので思い残すことはありません。
その他のことは一旦忘れて「今すぐやること」だけをみて、今に集中しましょう。
5.最後に・・・
繊細さんには共通する5つの強み(力)があります。
・感じる力
例)相手のニーズを感じ取り、細やかにケアする。・考える力
例)当たり前になっていることに疑問を抱き、改善する。・味わう力
例)「いいもの」を受け取り、深く味わい、絵や写真や音楽などで出力する・良心の力
例)自分の納得と相手への誠実さを両立させて、大きな力を発揮する。・直感の力
例)ものごとの本質にたどりつく。出展元:『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』第5章より
武田友紀さん著 発行所:株式会社 飛鳥新社
それゆえに、その力を使いすぎて疲れ果ててしまうことがあります。
それを和らげるために、このWebページが、ちょっとした助けになればなぁと思います。
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このWebページでは、HSPのことを「繊細さん」と表記してきました。
それは『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』の著者である武田友紀さんの受け売りです。
私は武田さんが、この著書の中で
自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。
出展元:『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』P.8より
武田友紀さん著 発行所:株式会社 飛鳥新社
と書かれていることに賛同し、「繊細さん」という言葉を使わせていただきました。
おわり