「できる人」に仕事は集まってきます。
そして「できる人」は「できてしまう」ので、頼まれた仕事をすべて引き受けてしまいます。
そしてどんどん仕事が増えていき、それらによって時間や体力・精神力が奪われてしまい本来の自分がやるべきことができなくなってきます。
そんなことが続くと、本来やるべきことが何なのかすら判別できなくなってしまって、周りに振り回されているような日々を送ることになります。
別のWebページでは、HSP(※1)の方に向けての「エッセンシャル思考」という考え方を紹介しました。
『Webページ:繊細さんや敏感さんは「エッセンシャル思考」を試してみては・・・』
このWebページでは、仕事が忙しすぎて自分の大切な時間を奪われてしまっている方に向けての「エッセンシャル思考」という考え方を紹介したいと思います。
※1:「HSP」とは「Highly Sensitive Person」の略で、「繊細すぎる人」「人一倍敏感な人」などのように訳されることが多いです。
もう少し詳しいことを知りたい方は、私の別のWebページになりますが、【HSPって何?】気を使いすぎで生きづらいあなたに
も読んでみてください。
普通の本(?)とマンガ本がありますが、私が読んだのはマンガ本の方です。
(といっても、マンガの部分は1/3程度でその他は解説文です。)
1.エッセンシャル思考:重要でないことを捨てましょう。
『人生がときめく片づけの魔法』が100万部を超えるベストセラーになった近藤麻理恵さん(通称:“こんまり”さん)。
彼女は現在アメリカを中心に片付けブームを起こされているようですが、昔日本でよくテレビに出られていた時に、こんなことをおっしゃっていたと記憶しています。
「まず、自分の持っている衣服を手にとってみて、“ときめく”か“ときめかない”かを自分で感じてみましょう。」
「そして“ときめかない”ものは手放しましょう。」
私は書籍『エッセンシャル思考』でも同じようなことが述べられていると思っています。
ものごとを選ぶ時は「絶対にやりたい!」あるいは「やらない 」の二択だけにするのです。
選ぶのはイエスかノーしかありません。
その中間やその2つが入り混じった状態はノーとするのです。
そして、その選ぶ基準として有効だとされているのが、「90点ルール」。
あるものごとに対して「何点くらいやりたいと思っているか?」を自分に問うてみます。
その答えが100点満点評価で「90点以上だ。」と思えるものだけをイエスとします。
逆に言えば、90点未満のものはバッサリと切り捨てる、ということです。
人生は有限ですから、あれもこれもすべてはできません。
何かを選ぶ時は必ず何かを捨てなければいけないのです。
引用元:『マンガでよくわかるエッセンシャル思考』P.95
やることを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことだけに集中するのです。
引用元:『マンガでよくわかるエッセンシャル思考』P.46
2.エッセンシャル思考:「考える時間」を作りましょう。
第1章では、ものごとを“選ぶ”ということについて書きました。
しかし、“こんまり”さんの例で挙げたような衣服を選ぶこともさることながら、仕事を選ぶとなるとさらに難しい話になります。
『エッセンシャル思考』では、そうした“選ぶ”作業を行うためにも「見極めるための時間」=「考える時間」を作ることが大事だとしています。
「人に会わない」「電話もしない」「メールも受けない」状況を自ら作り出し、自分の「考える時間」を確保するのです。
そして、その「考える時間」を使って膨大な情報の中から必要な情報だけを整理して、本当に大事なものと そうでないものを見分ける力をつけます。
「考える時間」はとれるに越したことはないと思うのですが、忙しいならば「毎朝5分でもかまいません」と書かれています。
要は一日5分だけでも「考える時間」を確保して、自分自身でものごとの本質を意識しながら思考するトレーニングをすることが重要だということです。
忙しい日常から離れ、自分だけでいられる時間を、ぜひ自分の生活に取り入れてみてください。
きっと、人生の主導権を取り戻すことができるでしょう。
引用元:『マンガでよくわかるエッセンシャル思考』P.87
3.エッセンシャル思考:本質的な目標を見つけましょう。
この章では、『エッセンシャル思考』でいう目標とは、どのようなものかということを紹介します。
第2章では「ものごとの本質を意識しながら思考する・・・」と書きましたが、『エッセンシャル思考』でいう目標とは「本質目標」と言われるものです。
一般的に目標と言われるものは「具体的なこと」と「抽象的なこと」に分けることができます。
また別の分け方をすると「刺激的なこと」と「刺激的でないこと」に分けられます。
では、「本質目標」とは何かというと「具体的」かつ「刺激的」な目標のことを言います。
まず「具体的」であること。
例えばチームの目標が「具体的」でなかった場合、それぞれの人がそれぞれの考えでその目標を解釈してしまい、各自がバラバラに動き出すことになります。
つまりそれぞれの人が別々の方向に進んでしまい、チーム全体として進む方向が定まらず、一向にゴールへたどり着くことはできません。
これは、個人でも同じだと思います。
ある自分がある方向に走り出したのに、別の自分はそれとは違った方向に走り出していると自分が本当に行きたい方向に進んでいないことになります。
なので目標として「具体的」であることは重要なことです。
次に、「刺激的」であること。
もし目標が「刺激的」なことでなかったら、人(自分)の心を動かすことはなく、やりきる熱意も起きないし、やっていて楽しくもないでしょう。
途中で投げ出してしまうかもしれません。
だから目標として「刺激的」であることも重要なことです。
こうしたことから『エッセンシャル思考』でいう目標(本質目標)は「具体的」で「刺激的」でなければならないのです。
そうした目標を立てることによって、力がいろんな方向に分散されることがなくなるので無駄がなくなり、無用な忙しさもなくなっていきます。
また、自分のやる気度も上がっていることから、自分主体で他人に振り回されることもなく、質の高い仕事ができるようになります。
『マンガでよくわかるエッセンシャル思考』での例
<学校行事である音楽会に対するあるクラス(学級)の目標>○最初の目標
「みんなでちゃんと音を合わせて他のクラスに勝つ」
→いろんな不平や不満などが出てクラス全体がまとまっていない状況。
↓
○エッセンシャル思考を取り入れた後の目標
「みんなが一番やりたい楽器にチャレンジする」
→みんなにやる気が出てお互いが助け合ってクラス全体がまとまっている状況。引用元:『マンガでよくわかるエッセンシャル思考』P.101〜110
4.エッセンシャル思考:今、この瞬間に集中しましょう。
最後に『エッセンシャル思考』では「今、この瞬間に集中する」ことをすすめています。
人はものごとをしながらも次の日の予定を考えたり、スマホを気にしたり、とかく何か他のことに気が散ってしまうものです。
それではせっかくものごと(仕事)を“選ぶ”ことができるようになっても、そこへかけるエネルギーが奪われてしまいます。
そうしたことにならないように、ひとつのものごと(仕事)に持てる力のすべてをかけるためのテクニックを紹介しています。
1.「今、何が一番重要なのかを考える。」
そして、それに関係のない邪魔になるものはすべて排除する。
(スマホを切ったり、余計なものを片付けたりする。)
2.「未来のことは考えない。」
そのために、今頭の中に思い立っているものは一旦紙にすべて書き出す。
3.「優先順位をつける。」
書き出したものに番号を付けたら、一旦思い残すことなく頭から排除する。
そして、あとは書き出した紙に書かれた番号の順番に、ものごとを淡々と片付けていく。
このようにすることで、その時々の重要なことに集中することができ、ものごとを処理するスピードが大幅にアップします。
「この先の予定でもなければ昨日の出来事でもない、
エッセンシャル思考は今ここに集中するんだ。」
引用元:『マンガでよくわかるエッセンシャル思考』P.142
まとめ
『エッセンシャル思考』を行うことで・・・
無用なことを捨てることができる。
自分自身をコントロールしながら、
ものごとを進めることができる。
やる気度も上がって質の高い仕事ができる。
ものごとを処理するスピードが大幅にアップする。
おわり